1984年(昭和59年)9月27日 宇都宮~黒磯の回送単機。 日章旗を取り付ける旗竿がすでにセットされお召列車仕様に整備されたEF5861〔東京機関区〕
ご成婚60周年を記念して福島県御幸啓が行われ帰路も在来線利用となった。
日程は9月25日 原宿9時51分発福島14時 牽引機関車は原宿~黒磯EF5861 黒磯~福島間はED75121だった。
9月26日は福島10時で磐越西線の翁島11時43分 牽引機関車は福島~郡山間ED75121、郡山~翁島(会津若松)ED7712(ご宿泊は一力館という宿)
9月27日は磐梯熱海12時05分原宿到着は16時07分 牽引機関車は磐越西線内(会津若松~郡山間はDE7712、郡山~黒磯ED75121 黒磯~原宿EF5861
この御幸啓は1924年(大正13年)8月3日~31日にご成婚時のさいに(当時皇太子)運転された会津地方を訪ねるもので俗に「フルムーンお召列車」と言われた。すでに東北新幹線が大宮~盛岡間に開業していたが利用されずすべて在来線だけというのは特筆される。
夜間車を飛ばして栃木県まで来たがこのお召列車仕様の整備がされたEF5861を見たときは疲れが吹き飛んだしたことを思い出す。この区間で上りお召列車の通過までの数時間を待っていた。
栃木県の無名撮影地なのか喧噪もなく静かに通過を見送った。
EF58はこのころ急激に廃車が進んで東海道・山陽本線はEF62に置き換えられて定期列車はなかった。東北本線も翌年EF641000番代が荷物列車に急行津軽、急行八甲田はEF65牽引となった。またEF5861も運用が無くなるといううわさがあり最後の1号編成ということで沿線は賑わったという。
昭和天皇のEF5861牽引のお召し列車はこのあと1985年(昭和60年)3月12日に原宿と下田(伊豆急下田)への須崎御用邸への運転が最後となっている。
1号編成は1985年のつくば万博のお召列車や鳥取県の国体、分割民営化後の1987年5月24~25日の佐賀県にて行われた植樹祭で運転されている。1号編成はJR東日本に引き継がれるが九州のお召し列車以降平成の時代になると1996年10月のベルギー国王来日にあたって両毛線で運転されたお召し列車まで間が開くことになった。
現在はE655系「なごみ」がその任を受け継ぎ運用されている。
さて昭和どころか平成も終わってもうすぐ1年であるが新型コロナウィルスの影響で大変なことになっている。昨年の今頃は慶祝ムードだったがいまは厳しい時世となっている。
はやく疫病がおさまって平穏な時が訪れることを願う。